この建物は、地下鉄心斎橋駅の北西、南船場に位置し、小さな店舗多くが並ぶ落ち着いた雰囲気ある街の中に計画されている。間口9.6m、奥行26Mの東西に細長くのびた特徴ある敷地に建ち、北側には同規模のマンションを有し、また将来的に南側にも計画されることを考慮し、その隣接するマンションの凹に合わせて中心部にパティオを設けた。 それにより、互いに空間を共有でき、かつ、ゆとりをもって光や風を感じることができる。 地上9階建てのこのビルは、低層階を貸店舗、中層階を貸事務所、上層階をマンションで構成される。訪れる人々はパティオへと導く露地を通り、光や風を感じながら目的の階へと向かう。 このビルのファサードは、ヒューマンスケールでのデザインに配慮した跳ね出しのR型テラスが、通る人々に賑わいを与え、全体の顔となる中層部に意匠的かつ機能的に採用したスクリーンにより、建物に一体感を与えている。 パティオを中心にうまれる人々の交流や賑わいが、敷地の枠をこえ、街全体に発信できればと願う。